市長臨時記者会見(新型コロナウイルス感染症関連)令和2年4月9日
出席者
市長、教育長、総務部長、財政部長、企画調整部長、健康医療部長、保健医療監、こども未来部長、商工観光部長、まちづくり政策部長、教育部長、健康医療部健康増進課精神保健・感染症対策室長
内容
発表事項
- 新型コロナウイルス感染症患者の発生について
- 市民の皆様へのお願い
- 山形市の対応と市有施設の休館について
- 学校・放課後児童クラブ・保育所の対応について
- 霞城公園の閉鎖について
- 経済・雇用対策について
会見内容
映像
内容要旨(※発言内容を要約しており、発言そのままの記載ではございません)
佐藤市長
本日、山形県から発表されましたとおり、山形市で初となる、新型コロナウイルス感染症の感染患者が1名、確認されました。
患者の方は、山形市在住の20代女性の方です。3月31日に発熱があり、4月1日に医療機関を受診しています。4月2日にいったん解熱したものの、4月6日から再度発熱、倦怠感や頭痛の症状も発生し、4月7日に山形市の新型コロナ受診相談センターに相談があり、新型コロナ受診外来を受診し、検査の結果、本日陽性が確認されました。山形市内の感染症指定医療機関に入院していますが、状態は落ち着いていて軽症です。
この方の行動歴でありますが、海外及び県外など、感染拡大地域への行動歴は現時点ではありません。現在、山形市保健所におきまして、濃厚接触者の把握を含めた積極的疫学調査を実施しております。
引き続き、県や関係機関と連携を密にし、正確かつ速やかな情報提供に努め、感染拡大の防止と市民の皆様の不安解消に向け、全力で取り組んでまいります。
全国的・全世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症が、今回、山形市で発生したことは、市民生活の安心・安全を脅かす非常事態であり、大変重く受け止めております。そこで、私から市民の皆様へ改めてお願いを申し上げたいと思います。
まず山形県内での初の感染の発生から本日にいたるまで、県内で人口が一番多い自治体であるにも関わらず山形市での発生がこれまでなかったことは、ひとえに市民の皆様おひとりおひとりが、本件の重要性を理解し、様々な我慢もしながら慎重に行動された結果と思います。これまでのご協力に心より感謝申し上げたいと思います。
そして、今この瞬間も全力で対応に当たられている、医療従事者の方々、急遽の休校対応にご尽力をいただいている学校や放課後児童クラブ関係者の皆様など、現場の最前線で緊急の対応に当たっていただいている皆様にもこの場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
今後、市内での感染拡大を防ぐためには、市民の皆様の行動がカギになってまいります。先日、国が発令した緊急事態宣言の中で最も重要なことは、「行動の制限」です。市民の皆様、事業者の皆様には、換気の悪い「密閉空間」、多数が集まる「密集場所」、間近で会話が発生をする「密接場面」の3つの「密」が重なる場を避けていただきたいと思います。食料品など生活必需品の買い出しや、密集、密接を避けた形での散歩など健康維持に必要な運動等を除き、不要不急の外出は控えていただきますようお願いいたします。
このたびのウイルスの特徴として、自覚症状がなくとも他人に移す危険性があり、それによって感染が拡大しているのが現状です。全ての市民の皆様には、この危険性をあらためて認識していただき、県外との往来の自粛なども含め、感染拡大防止に向けた慎重な行動をお願いいたします。
また、引き続き、こまめな手洗いやうがい、消毒液での手指の殺菌、咳エチケットの徹底などの予防対策をしっかりとっていただきますことも、重ねてお願い申し上げます。
加えて、必要以上の買いだめをしない、感染者とその関係者等に対する、インターネット等での誹謗中傷は絶対に行わないなど、冷静な行動に努めていただきたいと思います。
市内で初めての発生を受け、山形市では次のような対応をとることといたしました。
まず、文化施設やスポーツ施設、公民館、コミュニティセンターなど市民の方が利用する市有施設については、これまでも一部の施設で利用停止や、新規申し込みの受付停止などの措置をとってまいりましたが、今後は当面の間、原則として全面的に利用を中止し、休館とします。ただし、コミュニティセンターの証明書交付やテルサにあるハローワークをはじめ、公共機能などは、継続することとします。休館する期間の延長等については、今後の感染状況をみながら、慎重に判断してまいります。
次に、市内小中学校の休校延長についてです。4月6日に県内感染者の急増を踏まえ、4月15日まで臨時休校期間を延長したところですが、この度の市内感染者の発生により、臨時休校期間を5月6日まで再延長いたします。
ただし、4月16日については登校日とし、学級担任の発表や教科書配布、子ども達の状況把握、家庭での生活指導や学習指導を行います。
また、入学式につきましては4月17日に大幅に縮小・簡略化した形で実施します。小中学校とも、参加者は、新入生、各家庭1名の保護者、教職員など、最小限とさせていただき、十分な対策をとりながら、短時間での実施を考えております。保護者の方々のご理解とご協力をお願いいたします。
次に、放課後児童クラブについてです。小学校の臨時休校の延長に伴い、放課後児童クラブはこれまでどおり長期休業中と同様に午前中から開所してまいりますが、あわせて、児童の感染を予防する観点から、利用している保護者の方々には、可能な限り自宅での保育を要請いたします。
また、市内の認可保育所等についても、これまでどおり開所しておりますが、園児の感染予防のため、可能な限り自宅等での保育をお願いいたします。
なお、自宅での保育にご協力いただいた皆様への、放課後児童クラブや認可保育所等の保育料については、国の支援制度を踏まえながら減免等を実施いたします。
また、まもなく週末に入りますが、山形市の桜の名所である霞城公園もほぼ満開の見込みです。ここ数日の霞城公園の状況を見ますと、数日前から、すでに来園者が増え始めている状況です。このまま週末を迎えますと、さらに多くの方が市内外から霞城公園に来られることが予測され、多くの人の密集・密接状況の発生を避けることが難しくなります。このため、明日から桜が散るまでのしばらくの間、霞城公園を閉鎖いたします。
既に「霞城観桜会」については、ライトアップを含む全てのイベントを中止しているところでありますが、市民の皆様の安全を第一に、感染の更なる拡大を防ぐための対応として、やむを得ず公園閉鎖の判断をいたしました。
霞城公園の桜を楽しみにしていた皆様には、大変なご迷惑をおかけしますが、現在私たちが直面している厳しい状況を踏まえ、ご理解をいただければと存じます。何とかこの苦難を切り抜けたあかつきには、市民の皆様とともに再び桜を楽しめることを願っています。
市民の皆様におかれては、今後、新型コロナウイルスが収束するまで、様々な形でご負担が増していくことになると思いますし、全国的な自粛は経済状況を今後さらに冷え込ませることが予想されます。すでに市内飲食店や旅館をはじめ、売り上げの大幅な減少が起こっている状況です。こうした状況から、山形市においても、市民の皆様の生活基盤への支援や、経済・雇用対策に全力をあげてまいります。
国も、先般策定された緊急経済対策に基づき、大規模補正予算を組む予定でありますが、山形市もこれに対応した補正予算を編成する予定です。国会での補正予算成立の見込みを踏まえながら、4月中に臨時議会を招集し、関連事業の補正予算案を提案したいと考えております。それに向けて、早急に補正予算案の取りまとめを行います。
そして、その前にも、山形市として、独自ですぐに行える対策については、実施してまいります。独自の経済対策については、現在取り急ぎ検討を進めており、来週14日火曜日に改めて発表をさせていただきたいと思います。
納税の猶予の対応につきましては、新型コロナウイルスの影響により、令和2年2月以降において収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少し、一時に納付を行うことが困難な納税者を対象に、令和2年2月1日から、令和3年1月31日までに納期限が到来する個人住民税、固定資産税などのすべての市税について、申請により徴収猶予を行います。そのほか、さまざまな事情で市税の猶予や分割納付などの必要性のある方は税制担当課に個別にご相談ください。
さきほど申し上げましたが、これまで山形市において感染者を出さずにきたのも、市民の皆様おひとりおひとりが自覚的に行動してきた結果であります。まさに、山形市民の底力を見た思いであります。引き続き、新型コロナウイルスとの戦いに、市民一丸となって取り組んでまいりましょう。あらためて市民の皆様のご協力をお願いいたしまして、私からの市民の皆様へのメッセージとさせていただきます。
以上でございます。
朝日新聞
県庁所在地の一番人口が多いところで発生したということについての受け止めをお願いします。また、休館となる施設の総数は、何館といえばよろしいでしょうか。それから、学校の再開時期、新学期の開始について、入学式が17日とありますが、各小中学校の始業式は16日ということでよろしいですか。また、霞城公園のこの時期の閉鎖というのは、過去に例があるのでしょうか。
山形市長
このたびの発生に対する受け止めにつきましては、これまでも、周辺自治体での感染が出ており、いつ発生してもおかしくない状況だと考えておりました。いよいよこの時が来たかと。やはり、最も都市化が進んでいる山形市ですので、対策を徹底して行わなければいけないと考えているところでございます。また一方で、経済的な疲弊もこれからますます進んでくるものと思いますので、そうした行動の自粛と、一方で経済的な部分の対応と、矛盾する内容のところを適切に対応していかなければいけないと考えております。先ほど申し上げた部分も含め、市で全力を上げて取り組んでいきたいと思います。
閉鎖施設については、総務部長から回答します。
総務部長
市有施設の休館でございますが、資料には個別の施設の対応という数え方をしておりましたので、何館という部分につきましては、後ほど回答いたします。(※後ほど、99施設と回答いたしました。)
山形市長
小中学校につきましては、4月16日を登校日として、新入生以外の生徒のみ登校して、さまざまな生活指導、学習指導を行って、また次の日から休むという形です。また、新入生につきましては、入学式を4月17日に簡略化した形で行い、そして休校に入るという形になります。
霞城公園の過去の閉鎖の有無については、まちづくり政策部長より回答します。
まちづくり政策部長
この時期には初めてでございます。
YTS
今回の感染者である20代女性に関しての勤め先などの詳細については、資料に調査中と記載されていますが、どうなっているのでしょうか。
山形市長
まさに調査中でありますが、現時点で申し上げられることについては、保健所長から回答いたします。
保健所長
勤め先に関しては、飲食店の従業員ということを伺っております。詳細はこれから確認いたします。症状は軽症で、発熱のみ。本日は、熱が消失しております。
読売新聞
感染者の方の行動歴や資料に記載の症状、経過などについて、いくつかお尋ねします。飲食店の従業員との事ですが、こちらの飲食店は山形市内でしょうか。
保健所長
山形市内です。
読売新聞
資料に記載の症状、経過のところでは4月3日から5日までの行動がないのですが、勤務状況はどうなっているのでしょうか。
保健所長
4月2日から5日まで、熱も下がって症状がなくなったのですが、勤務状況については、これから詳細を調べます。
読売新聞
この方は4月1日に新型コロナ受診相談センターに相談して、この時は感染症の外来は受診せずに市内の医療機関を受診したということですが、受診した際に、一般の患者さんとの動線を分けるなどといった対策はできているのでしょうか。
保健所長
受診したのは一般の医療機関ですが、これまで得た情報では、感染者である患者さんもマスクをしていて、医療従事者もマスクをしていたことを確認しています。他の患者さんがその場にいたかどうかというのは、現在調査中です。
読売新聞
この方は、新型コロナ感染症外来受診に誘導される前に、新型コロナ受診相談センターに2回も相談されています。これはなにか理由があるのでしょうか。
保健所長
1回目の4月1日も、2回目の4月7日も、発熱が起こってまだ2日目であり、海外、県外への行動歴もなく、また、咳などの呼吸器症状もなかったため、保健所としては、まずは自宅で安静にしていただくようお話ししました。ただ、もし医療機関に行くのであれば、一般医療機関への受診でよいのではとお話ししました。
読売新聞
4月1日に市内医療機関を受診されていますが、保健所からこの医療機関に対し、新型コロナ受診相談センターに相談された方が受診されるという連絡はしたのでしょうか。
保健所長
本人が自ら行ったということで、保健所では、連絡しておりません。
読売新聞
院内感染の可能性があるのではないかと思うのですが、御見解はいかがですか。
保健所長
現在調査をしていますが、その可能性は否定できません。
NHK
この20代女性の患者さんは、海外渡航歴と県外の行動歴はないとのことですが、期間はいつからいつまでを調査しましたか。
健康医療部長
発症から2週間でございます。
NHK
市内の飲食店の従業員ということですが、具体的な飲食店の名称を把握する予定はないですか。
健康医療部長
感染を広めるような行動があった場合に、市民の皆様に追加ということで公表させていただきたいと思いますが、現段階では公表は差し控えさせていただきたいと思います。
NHK
感染が他に拡大するような可能性が低い業務に従事していたという意味に捉えていいですか。
健康医療部長
現在調査中でございます。
NHK
つまり否定も肯定もしないということですか。
健康医療部長
そうです。
共同通信
濃厚接触者について調査中ということですが、身の回りに感染確認された人はいないのか、また、山形市内の飲食店ということで、感染者の方が勤務先のお店に訪れたという可能性はないでしょうか。
保健所長
この人がどなたから感染したかというのは、現時点ではわからないため、調査中です。また、この人から他の人に感染したかというのも、濃厚接触者の調査ということで今行っている最中です。
共同通信
身の回りに感染された方というのは、今のところ把握していないということですか。
保健所長
身の回りには、今のところは、症状がある方はおりません。
共同通信
市長にお尋ねします。先ほど山形市で感染者を出さずにこれまできたとのお話でしたが、資料に記載の行動歴を見ますと、4月1日の時点で新型コロナ受診相談センターに相談はされているため、この時にもしかしたらかかっていたのではとも思えます。そういった状況を見ても、山形市内においては、感染予防対策などで感染者の発生を抑えられていたとお考えですか。それとも、受診体制がなかなか追いつかず、結果的に今になって出たと考えるのか、お考えをお伺いします。
山形市長
現在メディア等でも、何々県で何名というような形で人数まで出ておりますが、そこに表れるものがすべてかと言われれば、それは全くそんなことはないと私自身も思っているところです。ただ、全国的にかなり感染者が出ている中で、山形県はしばらく感染者が出ませんでしたし、PCR検査の人口当たりの件数についてはむしろ東北でも一番多いくらいです。そうした中で発生していなかったということを考えますと、概ね、市民、県民の皆様が適切な行動をとって、感染者の発生を抑えていたと、私なりに考えたということであります。
山形新聞
この方の濃厚接触者については調査中ということですが、同居しているご家族など、少なくとも何人くらい濃厚接触の可能性がある方がいらっしゃるのでしょうか。
保健所長
濃厚接触者の候補としては、職場の方、4月1日に受診した医療機関にいらっしゃった方、家族があげられます。調査対象者については、人数も含めて、調査中です。
山形新聞
感染者が山形市内の居酒屋を利用したとの県内過去事例がありますが、今回の事例はそれに関連しているものでしょうか。それとも、感染経路を一から確認しなければならないものでしょうか。
保健所長
県が報告されたその感染者とのつながりは、現時点ではありません。
山形新聞
県外では接待する飲食店においてクラスターが発生した事例もありますが、今回の事例は、クラスター化する恐れがあるのでしょうか。
健康医療部長
感染を広げるような行動があった場合に、改めて詳細をお伝えしたいと考えております。
山形新聞
山形市内の案件でPCR検査を何件行った中での、初めての発症ということなのでしょうか。
保健所長
山形市においては、59件目の検査で、初めての発症となります。(※後ほど、71件と修正いたしました。)
佐藤市長からお話した、PCR検査件数について補足します。山形県は、東北において1番多く検査をしており、人口が2倍の宮城県よりも多く、人口当たりの件数では宮城県の2倍となっております。また、東北のどの県よりも多く行っており、岩手県などと比べると3倍となっております。
YTS
2週間前まで行動歴を振り返っているとの事ですが、発症というのはどの時点になりますか。
保健所長
症状が出た3月31日が発症の時点となります。そこから行動歴を2週間遡って確認しております。
YTS
過去事例において感染者となった米沢市の男性が行かれた山形市内の飲食店の従業員ということではないのでしょうか。
保健所長
違います。別の飲食店です。
日本経済新聞
国で緊急事態宣言を出しましたが、欧米に比べて強制力がないという議論がなされています。市長自身としては、自粛等に関して、日本でも強制力のある制度を導入した方がよいと思われますか。それとも、お願いなどで市民の方に促すほうがよいとお考えですか。
山形市長
私としては、強制的な措置を伴うものよりも、市民の皆様にお願いし、自発的な形で自粛いただくことで感染拡大が防げるのであれば、それに越したことはないと考えております。現時点では、多くの市民の皆様はその趣旨を理解して行動いただいているため、山形市については、今後も、本日もいたしましたお願いを徹底していき、行動の自粛をしていただくことになるかと思います。
時事通信
山形市内の初の感染者について、県の方では詳細は発表しませんでした。これは、山形市で保健所をもっていることから、詳細は山形市が発表するということなのでしょうか。
保健所長
そう考えております。
時事通信
詳細な情報については、県との共有はしていますか。
健康医療部長
共有しております。
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