一口健康メモ

ページ番号1017168  更新日 令和7年10月28日

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「妊婦用RSウイルスワクチンについて」

山形市立病院済生館 産婦人科 吉田 隆之

 乳幼児にとって注意しなければいけない感染症の一つにRSウイルス感染症があります。有効な治療薬はなく、肺炎や細気管支炎などを引き起こし、重症化する場合があります。日本では毎年約12~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、そのうち約4分の1(3万人)で入院治療が必要となります。兄弟、姉妹から乳幼児への感染が多く、特に生後6カ月以内の乳児は、RSウイルスに感染すると重症化しやすく注意が必要です。

 乳児をRSウイルス感染症から守るためにできたのが、妊婦用RSウイルスワクチンです。RSウイルスワクチンを妊婦が1回接種することで、母体の体内でRSウイルスに対する抗体を産生し、その抗体が胎盤を通じて母体から胎児へ移行することで、生後6カ月程度までRSウイルスの感染から守ってくれます。接種したことによる胎児・乳幼児への悪影響は認められておらず、乳児をRSウイルスから安全に守る方法として最近注目されています。自費診療にはなりますが、産まれてくる大切な赤ちゃんを感染症から守る一つの方法として、ぜひご検討ください。

 

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