救急現場でのアナフィラキシー対応が進化します ~山形市消防本部が全国実証事業に参加~
山形市消防本部は、厚生労働省が進める「アナフィラキシー(重いアレルギー反応)への自己注射型アドレナリン(エピネフリン)投与の対象拡大」に関する実証事業に参加することになりました。
この事業では、当本部の救急救命士58名が、厚生労働省の研究班が作成した講習を受け、医師による効果測定を経て、山形県の認定を受けています。
これにより、令和7年8月18日(月曜)から、現場で実際にアナフィラキシー症状がある方へアドレナリンの投与ができるようになります。
アナフィラキシーとは
アナフィラキシーとは、急なアレルギー反応によって皮ふ、呼吸、消化器など全身に症状が一気に出る危険な状態です。血圧の低下や意識障害など、命にかかわることもあります。厚生労働省の統計では、毎年50~70人がアナフィラキシーで亡くなっており、原因は食べ物のほか、薬やハチの毒によるものが多いとされています。発症直後に適切な処置ができれば、助かる可能性が高まります。
実証事業の取組みの背景
このアナフィラキシーには「アドレナリン」という薬が特効薬です。過去にアナフィラキシーを起こしたことがある方には、自己注射型のアドレナリン製剤(エピペン®)が処方されることがあります。しかし、現行の法律では、救急救命士がエピペン®を使えるのは、患者さんが事前に医師の診断を受け、処方されたものを所持している場合に限られます。持っていない場合は、搬送中に症状が悪化してしまうこともあります。
こうした課題を解決するため、厚生労働省は特定の地域を対象に法律を一時的に見直し、救急救命士が現場でアナフィラキシーと判断した場合、医師の指示を受けてアドレナリンを投与できる実証事業を始めます。山形市消防本部もこの事業に参加し、全ての救急車にエピペン®を搭載します。
実証事業で期待される効果
この取り組みの背景には、2023(令和5)年に行われた厚生労働科学研究班の調査があります。救急救命士が定められた基準でアナフィラキシーを判断した結果は、医師の診断とほぼ一致し、特に「アドレナリン投与が必要」と判断した場合は全て一致していました。
今回、山形市消防本部では58名の救急救命士が事前講習を修了し、認定を受けました。令和7年8月18日(月曜)からは、現場で医師と連携しながら、必要な患者さんにエピペン®を投与することが可能になります。これにより、救急現場でより迅速かつ的確なアナフィラキシー対応ができることが期待されます。
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