市長のやまがた自慢「山形打刃物」
山形打刃物
城下町として長い歴史を持つ山形市には多くの伝統工芸品が残っています。中でも打刃物は延文元年(1356年)に、斯波兼頼(しばかねより)が入部した際、お抱えの鍛冶師たちに武具や農具を作らせたのが始まりといわれ、長い伝統を誇っています。
山形市の旧町名に「鍛冶町」という名称がありますが(現在の宮町5丁目あたり)、最上義光公が設置して以来、江戸時代を通じて鍛冶職人の町であり、鎌、鍬(くわ)、鋏(はさみ)、包丁、鉈(なた)など、あらゆる製品が生産され、その技術は高く評価されてきました。打刃物の作業工程は、接合された軟鉄と鋼鉄をハンマーで叩くことで造形していく「鍛造(たんぞう)」であり、まさに職人技の極致といえるでしょう。とりわけ、果樹農家の方などが使う剪定(せんてい)鋏が人気で、プロに選ばれる製品として確固たる地位を得ています。
最近では、フランスやイギリスなど、ガーデニングが盛んな海外の国から注文が増えるなど、新たな展開を見せています。大量生産・大量消費の時代を経て、再び本物を求める人々の間で注目されている山形打刃物。ぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか。
(広報やまがた令和5年8月1日号掲載)
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