市長のやまがた自慢「富神山」
山形市西部の山並みを遠目に眺めていきますと、見事なピラミッド型の山を発見することができます。これが西山形地区のシンボル「富神山」です。標高は402メートルとそれほど高くはありませんが、本当に綺麗な円錐形で、先がとがっているので「とんがり山」と呼ぶ方もいます。
こうした円錐形の里山は、古くから地域に住む人々の信仰の対象になることが多いですが、富神山も山の麓には富神明神社があり、地域の守り神として祀られてきました。同神社周辺はかつて環状列石(ストーンサークル)があったことでも知られています。縄文時代から現代にいたるまで、形を変えながら信仰されてきたと思うとロマンを感じますし、実際にその場に行ってみるとどことなく神秘的な雰囲気も漂います。
歴史的なエピソードも豊富です。1600年、関ヶ原の戦いに際し、侵攻してきた直江兼続率いる上杉軍が山形の西部、菅沢に陣取りました。北の関ヶ原、慶長出羽合戦、長谷堂合戦などと呼ばれる戦いです。
兼続は山形城を山頂から偵察しようと、富神山に上りましたが、遠く霧がかかって城の様子が見えませんでした。それが転じて山形城は「霞が城」と呼ばれるようになったという説もあります。
山形市の東には千歳山があり、西には富神山があります。地域の守り神のような山は山形市民にとっては大変なじみ深いものです。初心者でも楽しめる手頃な登山コースもあり、私自身、先日も地元の皆さまと共に登りました。道沿いにはヒメサユリの花が咲き、楽しい登山でした。景色も素晴らしいですし、実際には霧でお城が見えないという日は少ないと思います。
ぜひ実際に登って、山頂からの絶景を見ていただければと思います。
(広報やまがた令和元年8月1日号掲載)
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