SUKSK生活のすすめ
「オーラルフレイルについて」
山形市保健所 参与
(歯と口腔の健康づくり担当) 加藤肇
加齢に伴い、徐々に体のさまざまな機能が低下し、体が弱まっている状態を「フレイル」(虚弱)と呼びます。このフレイルのきっかけや過程にあるものとして、口の中のフレイル「オーラルフレイル」が注目されています。
オーラルフレイルは口腔機能がわずかに衰えている状態です。具体的には、(1)残存歯数の減少(歯が少ない)、(2)咀嚼困難感(噛み砕く力が落ちている、うまく噛めない)、(3)嚥下困難感(うまくのみ込めない、むせたり時間がかかる)、(4)口腔乾燥感(口が乾いている)、(5)滑舌低下(舌口唇運動機能の低下、食べ物が口からこぼれる、口の中に残る)の5項目があり、このうちの2つ以上が該当するとオーラルフレイルであるとされています。早期にオーラルフレイルの評価をして適切な対策を行うことにより、改善する可能性があります。
オーラルフレイルの直接的な原因に「虫歯」や「歯周病」があります。虫歯や歯周病があり、さらには進行して歯を失ってしまうと、噛めない食品が増加します。その結果、食事量が減少して栄養不足になり、栄養バランスも崩れてしまいます。
したがって、まずはきちんと歯磨きをすることが重要です。歯科医院で歯磨きの指導を受けることをお勧めします。虫歯や歯周病がある場合はすぐに治療し、定期的なメンテナンスを続けることも大切です。歯の欠損がある場合は、義歯などの補綴物を装着してしっかり噛めるようにすることが重要です。
そして、日常での会話や食事に加えて、舌・唇・顎を動かす口腔体操を活用して口腔機能を維持することも重要です。