森林環境譲与税の使途の公表について

ページ番号1004734  更新日 令和4年12月6日

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平成31年4月に森林経営管理法が施行され、その財源となる森林環境税および森林環境譲与税が創設されました。山形市にも令和元年度から森林環境譲与税が国より譲与されています。その使途について、創設の経緯を踏まえて説明します。

1 森林整備の必要性

森林を整備することは、地球温暖化防止のみならず、国土の保全や水源のかん養、地方創生や快適な生活環境の創出などにつながり、その効果は広く国民一人一人が恩恵を受けるものです。
しかしながら、森林整備を進めるにあたっては、所有者の経営意欲の低下や所有者不明の森林の増加、境界未確定の森林の存在や担い手の不足等が大きな課題となっています。パリ協定の枠組みの下で自国の温室効果ガス排出削減目標を達成し、大規模な土砂崩れや洪水・浸水といった都市部の住民にも被害が及び得る災害から国民を守るためには、こうした課題に的確に対応し、森林資源の適切な管理を推進することが必要です。

山形市では、持続可能な開発目標(SDGs:エスディージーズ)達成に向けて、森林の持続可能な経営に取り組み、環境・経済・社会の諸課題の解決に貢献してまいります。

イラスト:SDGsロゴ

SDGsとは…

グローバル経済の下、一国の経済危機が他国に連鎖するのと同様、気候変動、自然災害、感染症といった課題も連鎖して発生し、経済成長や社会問題にも様々に影響していくといった複合的な問題に対して、世界全体で取り組む必要があるとの考えから示された世界全体の目標です。
17の目標、169のターゲットから構成され、経済、社会及び環境の三側面を不可分なものとして調和させ、持続可能な世界を実現するための統合的取組です。

2 森林環境税と森林環境譲与税

平成31年4月から森林経営管理法が施行され、森林所有者自らが森林の経営管理を実行できない場合、市町村が森林の経営管理の委託を受けることができる森林経営管理制度が創設されました。これを踏まえ、市町村が実施する森林整備等に必要な財源に充てるための森林環境税および森林環境譲与税が創設されました。

森林環境税

森林環境税は国税とし、都市・地方を通じて、国民一人一人が等しく負担を分かち合って、国民皆で温室効果ガス吸収源等としての重要な役割を担う森林を支える仕組みとして、個人住民税均等割の枠組みを活用し、市町村が個人住民税均等割と併せて賦課徴収を行います。時期については、消費税率10%への引き上げ等、国民の負担を考慮し、東日本大震災の復興税が終了する令和6年度から課税されます。税率は、新たな森林経営管理制度の施行後において追加的に必要となる需要量等を勘案し、年額1,000円とされています。

森林環境譲与税

森林環境譲与税については、法令上使途を定め、市町村は森林の間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備およびその促進に関する費用に、都道府県は市町村が行う森林整備に対して支援等を行う費用に充てなければならないとされています。譲与時期については森林環境税と異なり、森林現場における諸課題にできるだけ早期に対応する必要があるため、森林管理制度の施行とあわせ、令和元年度から譲与されています。
森林環境譲与税は、私有林人工林面積(50%)、林業就業者数(20%)、人口(30%)により按分し譲与されており、本市の収入見込みは次のとおりです。

  • 令和元年度 15,783千円
  • 令和2年度~令和3年度 33,538千円
  • 令和4年度~令和5年度 43,402千円
  • 令和6年度~ 53,266千円

3 山形市の森林環境譲与税の使途

山形市においては、平成31年3月に森林環境譲与税を財源とした山形市森林経営管理推進基金を創設しました。今後は、基金を財源とし、森林経営管理制度を活用した森林整備を進めるとともに木材の利用促進等に取り組んでいきます。

森林経営管理推進基金(単位:円)

年度 譲与額 事業費 利子 年度末積立額

令和元年度

15,783,000

2,570,707

0

13,212,293

令和2年度

33,538,000

4,778,886

1,019

41,972,426

令和3年度

33,376,000

23,981,998

837

51,367,265

これまでの使途の詳細については、下記のページをご覧ください。

4 取組内容(令和3年度)

1 森林経営管理制度への取り組み(6,971千円)

(この事業が貢献するSDGsの目標)

イラスト:SDGs目標6 安全な水とトイレを世界中に

イラスト:SDGs目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう

イラスト:SDGs目標11 住み続けられるまちづくりを

イラスト:SDGs目標13 気候変動に具体的な対策を

イラスト:SDGs目標15 緑の豊かさも守ろう


(1)モデル地区(上宝沢不動沢流域)の森林整備等

上宝沢地区不動沢流域で市がお預かりした森林のうち再委託できなかった森林について、詳細な現地調査等により管理計画を作成し、約2haの整理伐を実施した。また、林業経営に適さない森林(環境林)における、公益的機能の持続的発揮を目的とした整備手法の検討のため、「山形市森林経営管理事業施業指針」を策定した。

(2)山形地方森林林業活性化協議会の取組み

令和3年度までに上宝沢モデル地区での取組みを終え、本格的な森林経営管理事業の推進に向けて、山形地方森林組合と組合が管轄する2市2町からなる「山形地方森林林業活性化協議会」を設置した。市は協議会に負担金を支出し、協議会はこれを活用して森林経営管理制度の取組推進や、森林・林業への理解を深めるための普及啓発活動等の取組みを行うこととし、令和3年度は山形市上宝沢地区の意向調査のほか、チェンソー講習会等を実施した。

(3)意向調査の実施

優先順位1位の上宝沢地区において、私有林人工林86haの森林所有者79名に対し、経営管理の意向に関する調査を実施した。調査は、所有山林の経営管理の現況、経営管理の見通し、その他参考となるべき事項について記載した書面により行い、76名から回答を得た。また、84%に当たる64名が「市に経営や管理を委ねることについて検討したい」と回答した。この結果を踏まえ、今後、市に委託意向があると回答した森林所有者の林地については、経営管理権集積計画作成候補地として、森林の現況調査や境界確認を行い、経営管理権の取得に向けて進めていく。

(4)クラウド型森林GISの利用

森林経営管理制度を円滑に実施するため、クラウド型森林GISにより森林の土地の所有者情報や境界明確化情報を管理し、業務の効率化を図っている。令和3年度は、航空写真、地番図データの追加及び地番検索機能の新規設定のシステム改修を行った。

 

2 市産材ブランド化及び利用拡大への取り組み(17,011千円)

(この事業が貢献するSDGsの目標)

イラスト:SDGs目標11 住み続けられるまちづくりを

イラスト:SDGs目標12 つくる責任つかう責任

イラスト:SDGs目標13 気候変動に具体的な対策を

イラスト:SDGs目標15 陸の豊かさも守ろう


(1)市産材ブランド化推進事業

山形市産材のブランド化を図り、市産材の利用拡大につなげるため、令和2年度に山形市産材ブランド化検討委員会を設置し、行政機関、林業・木材産業等関係団体が連携し、ブランド化に向けた意見交換を行った。また、こどもの頃から木を身近に感じ森林や木材利用に関心を持っていただくため、山形市産スギ材で作製した積木を1歳6か月児健診時に贈呈し、木育の推進と市産材の普及促進を図った。

(2)市産材オリンピックレガシー活用事業

 ・オリンピックレガシーの運搬管理・加工

東京オリンピック・パラリンピック大会施設に提供した市産材がオリンピックレガシーとして返却されるため、東京都晴海から山形市に運搬し、西山形小学校の建築材として返却木材を加工する作業と、西山形コミュニティーセンターにモニュメントを作製、設置する作業を行った。

 ・山形駅東西自由通路木質化

東京オリンピック・パラリンピック大会施設の建築材として使用され、返却された市産材をオリンピックレガシーとして有効に活用するため、より多くの人が目にする山形駅東西自由通路の壁材に使うことを決め、令和3年度は設計業務を行った。

(3)市産材利用拡大促進事業

市産材を使用した戸建て新築住宅への補助制度に、より多くの市産材を使用した場合のゼロカーボンシティ貢献枠を新設し、ゼロカーボンシティの実現に向けた意識啓発と市産材の利用拡大を図った。

このページに関するお問い合わせ

農林部森林整備課林政係
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