土地から生まれるものがたりを巡って【やまがた冬の芸術祭】

ページ番号1017515  更新日 令和8年1月19日

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イベントカテゴリ: 催し・イベント 趣味・教養 講座・教室 文化・芸術 体験・学習

≪金曜上映会特別版≫ 土地から生まれるものがたりを巡って

 〜映画「栗の森のものがたり」上映+トーク~

栗の森のものがたりバナー

開催日

令和8年2月26日(木曜日)

開催時間

午後6時30分~

開催場所

やまがたクリエイティブシティセンターQ1 2階
シアタースペース2-B

会場へのアクセスはやまがたクリエイティブシティセンターQ1ホームページをご覧ください。
https://yamagata-q1.com/access/

対象

どなたでも
映画が好きな方、映画制作に興味のある方

内容

なら国際映画祭2020審査員特別賞ほか世界中の映画祭で受賞・ノミネートされた「栗の森のものがたり」の上映とスペシャルトークイベントを開催。
この冬「やまがたアーティスト・イン・レジデンス」の枠組みで、山形市に滞在している本作監督のグレゴル・ボジッチ氏とプロデューサーのマリーナ・グムジ氏をゲストにお呼びします。
対談のお相手は、鶴岡を拠点に山伏として活動する成瀬正憲さん。土地に根付いて物語を紡いでいくことについて、山形とスロヴェニアという遠く離れた二つの地域の視点からお話していただきます。ぜひご参加ください。

申込み締め切り日

令和8年2月23日(月曜日)

申込み

必要

以下の「申込フォーム」よりお申し込みください

費用

不要

募集人数
30人
問い合わせ

山形市文化創造都市課

023-641-1212(内線799)

申込フォーム

上映作品

『栗の森のものがたり』

メインビジュアル

監督:グレゴル・ボジッチ 脚本:グレゴル・ボジッチ、マリーナ・グムジ 撮影:フェラン・パラデス 編集:グレゴル・ボジッチ、ベンジャミン・ミルゲ、ジュゼッペ・レオネッティ 音楽:ヘクラ・マグヌスドッティル、ヤン・ヴィソツキー
出演:マッシモ・デ・フランコヴィッチ、イヴァナ・ロスチ、ジュジ・メルリ、トミ・ヤネジッチ
原題:Zgodbe iz kostanjevih gozdov 英題:Stories from the Chestnut Woods 日本語字幕:佐藤まな 字幕協力:なら国際映画祭
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション 配給:クレプスキュール フィルム
[2019年/スロヴェニア・イタリア/スロヴェニア語・イタリア語・/カラー/82分/ビスタ]

受賞

スロヴェニア国際映画祭2019最優秀作品賞・監督賞・男優賞・撮影賞・観客賞・作曲賞・メイクアップ賞・音響賞・編集賞・デザイン賞・衣装賞/なら国際映画祭2020審査員特別賞/スプリット国際映画祭2020スペシャル・メンション/シネ・イースト国際映画祭2020批評家賞/タリンブラックナイト国際映画祭2019長編作品賞

ノミネート

トロント国際映画祭2020ディスカバリー・アワード作品賞/なら国際映画祭2020作品賞/スプリット国際映画祭2020作品賞/上海国際映画祭2020観客賞/ゲント国際映画祭2020最優秀作品賞/グラスゴー国際映画祭2020観客賞/エルサレム国際映画祭2020最優秀初監督作品賞/ポーランド・ニューホライゾン国際映画祭2020グランプリ/インド国際映画祭2019作品賞/サンパウロ国際映画祭2019作品賞/K3国際映画祭2019長編作品賞


詩を奏でるように綴られた、孤独なふたりの夢語りーー

Introduction

金色と銅色の枯葉の絨毯に彩られる色彩豊かな季節。静寂がささやく栗の森で語られる哀切の余話『栗の森のものがたり』。時は、1950年代。イタリアとユーゴスラビアとの国境に位置するこの広大な森は2つの国を隔てるだけでなく、西ヨーロッパと東ヨーロッパの2つの勢力圏に境界線を引いた「鉄のカーテン」の要所にあたる。かつては安息の地と呼ばれ、息を呑むような美しさを誇ったこの「栗の森」も、貧困と政治的緊張により、多くの村人が去ることを余儀なくされていた。

ケチで不器用な年老いた棺桶職人マリオと、この地を離れることだけを夢見る若い栗売りマルタ。マリオは家を出た息子ジェルマーノと死にゆく妻ドーラのことを、マルタは第二次世界大戦から戻らない夫のことに思いを馳せている…。それぞれ悲しみに包まれていた見知らぬ二人は、栗の森によって結び付けられる。夢、幻影、幻覚が現実の記憶と混在し、それぞれの物語がマトリョーシカのように別の物語に繋がり、「魂が忘れられた場所」に光を灯してゆく。

監督・脚本・編集を手掛けたのは、本作が長編デビューとなるスロヴェニア出身の新鋭、グレゴル・ボジッチ。2019年のトロント国際映画祭でプレミア上映されるや大喝采を浴び、スロヴェニア国際映画祭では最優秀作品賞、監督賞、男優賞、撮影賞、観客賞など11部門を独占。2020年なら国際映画祭では、コンペ作品の中で「最も美しい」と評され審査員特別賞に輝いた。フェルメールやレンブラントといったオランダの印象派の画家に影響を受けたというボジッチは、35mmとスーパー16mmフィルムを駆使し絵画のような風景を切り取る。使い古しの洗面器にピッチャーや果物、箒や靴、洗濯カゴや紙くずまで何もかもが優しい光に照らされ、ゆっくりと時が流れる森の日常を、陰影深く描き出した独特の映像美。何気ない日常生活のワンシーンさえも最初から最後まで美しい。

賭け事が大好きで、病弱な妻にも辛らつな言葉を浴びせる老大工マリオ役に、イタリアの名優マッシモ・デ・フランコヴィッチ。70以上の作品に出演し、多数の賞を獲得。現代映画界を代表するメソッド・アクターとしてその名を馳せている。お金を貯めて「栗の森」を離れようと気を揉む最後の栗拾いマルタ役には、クロアチアで活躍するイヴァナ・ロシュチッチ。「最もセクシーなクロアチア女性スター」にランクインする魅力的な人気俳優でもある。人生を重ね深みある顔に、神々しささえ感じられるマリオの妻ドーラ役に、イタリアの名女優として200以上の演劇や映画に出演する演技派、ジウジ・メルリが扮した。音楽は、アイスランドのヘクラ・マグヌスドッティル。幽玄なテルミンの音色で彼らの喜びや悲しみ、喪失感の無常さを詩的に表現した。また、馬車に乗る若い女性二人がシルヴィー・ヴァルタンの名曲「アイドルを探せ」を唄い、踊るシーンはあまりに愛おしく観客の心にいつまでも残るだろう。 

ロシアの文豪アントン・チェーホフの短編小説にインスピレーションを受け、人生の機微を甘くほろ苦く描いた本作。生と死の境界線は曖昧で、森の中で遭遇するものは現実なのか妄想なのか…。物語は絵葉書をアコーディオンのように折り畳んで開き、そして絵本を閉じるように栗の埋葬ショットで終幕する。すべてのカットに美が宿る映像美で魅せる、すでに古典の趣さえ漂う成熟した珠玉作。この秋、スロヴェニアから届いたメランコリックな大人の寓話が、あなたに深い余韻を約束する。

Story

ここは栗の森に囲まれたイタリアとの国境地帯にある小さな村。第二次世界大戦は終結したが長引く政情不安が村人の生活に影を落としたまま、今年もまた厳しい冬がやって来る。人々の多くはここでの生活に見切りをつけ、金を稼ぎにこの土地を離れたが、戻ってくるはずもない家族や隣人をただ待ち続ける、村に残る者もいた。いずれにせよ、ここには夢も、未来もない。あるのは貧困と諦め、そして葉を落とし、金色と銅色で地を美しく染める栗の木々だけだ。
老大工のマリオもまた、家を出たまま戻らない一人息子ジェルマーノからの連絡を待ち続けていた。ジェルマーノはどこで暮らし、何をしているのか。息子の行先を知らないことも妻に伝えず、息子の身を案じる彼女を慰めようともしないマリオ。できるのは、投函することのない息子宛の手紙に想いを綴っては引き出しにしまうこと。まるで自分の心に蓋をするかのように。
ある夜、マリオは病に冒されたまま病状が一向に好転しないドーラを連れ、深夜の乗合馬車で村はずれの診療所を訪れる。だが簡単な診察とわずかな薬を手渡され、追い返される二人。そしてドーラは、なぜ息子に連絡させてくれなかったのかと夫を責めながら息を引き取ってしまう。そして一人残されたマリオ…。
栗売りのささやかな収入で生計を立て、一人で暮らすマルタ。彼女はいつか村を出て、数年前に夫が向かったオーストラリアに旅立とうと決めていた。だが彼は果たしてそこにいるのか。仕事に就き、満足な暮らしを手にすることができたのか。送られてきた手紙と同封されていた数枚の写真を唯一の手掛かりに、マルタは夫の下へ旅立つことを夢見ていた。
マルタはある日、谷間を流れる川に荷を落とし、たくさんの栗の実を川に流してしまう。その様子を偶然目にしたマリオ。自身が濡れるのも気にせず川に入り、栗の実を拾おうと手伝う彼にマルタは深く感謝し、自分の自宅で濡れた靴を乾かすことを提案する。マルタの自宅で互いの身の上を語りながら、その境遇を思いやる二人。そしてついにマルタは村を出ることを決意する。だが手持ちの現金では足りない、と乗合馬車の御者に断られるマルタ。そんなマルタを見て、マリオは「俺をいい思い出にしてほしい」と言いながら、ある提案をマルタに持ち掛ける…。
 

トークイベントゲスト

マリーナ・グムジ

リュブリャナ(スロヴェニア)を拠点とする制作スタジオ「NOSOROGI」のマネージング・ディレクター。DFFBベルリンの大学院プログラム「Next Wave」の卒業生で、ICTA-UABでは脱成長と生態経済学を学んだ。
批評眼のある型にはまらないクリエイティブに情熱を注ぐ彼女は、プロデューサーと脚本家の役割を行き来している。特にフィクションとドキュメンタリズムの交差に興味を持つ。プロデュースや共同脚本を手がけた作品は、なら国際映画祭審査員賞など数多くの国際映画祭で受賞し、世界中の著名な国際映画祭やアートスペースでアートスペースで上映された。マリア・ボーアの別名で活動することもある。
研究者として、映画システムやクリエイティブな環境の中で、より持続可能で公平な社会への移行をサポートする代替的な想像力の可能性を特定することに注力している。

グレゴール・ボジッチ

リュブリャナ(スロヴェニア)のAGRFT映画学校とベルリンのDFFBで映画と撮影を学び、フランスの国立現代美術センター、ル・フレノワの大学院でアーティストとして学ぶ。
彼の作品は数多くの著名な映画祭で作品が上映されている。
2008年からは、イタリアとスロヴェニアの国境地帯の果樹農家と共同で、地中海沿岸の古い果樹品種や固有品種に関する研究を続けている。2010年には遺伝子バンクの果樹園を作り、発見されたすべての品種とそれにまつわるエピソードを記した本を執筆した。

成瀬正憲 [山伏・採集者]

山伏修行の経験を重ねながら、大学で人類学の教鞭をとり、「日知舎」として月山山麓の山菜やきのこの採集、土地の手仕事の継承など多様な経済活動を行っている。
東北公益文科大学非常勤講師、東北芸術工科大学専任講師。

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文化スポーツ部文化創造都市課
〒990-8540 山形市旅篭町二丁目3番25号
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ファクス番号:023-624-9618
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