市長のやまがた自慢「最上義光公の指揮棒」
最上義光公の騎馬像については以前この「やまがた自慢」でもご紹介しましたが、義光公が手に持っているのが戦で陣営を動かす際の指揮棒です。
実際に義光公が使用していた指揮棒は現存しており、最上義光歴史館に展示されています。義光公が使用していたことが分かっている数少ない収蔵品で大変貴重なものです。
素材としては、刀と同様に鉄を打って造られており、長さは86.5センチ、重さは1750グラム(刀の約2倍)もあります。そんなに重い指揮棒を馬上で振るう義光公の姿はさぞ勇まく、味方の軍勢を大いに鼓舞していたことでしょう。
最近では「信長の野望」をはじめとするゲーム上での義光公もこの指揮棒を手にした姿で登場するほどメジャーになってきました。
この指揮棒には、「清和天皇末葉山形出羽守有髪僧義光」という文字が刻まれています。清和源氏の正統で、羽州探題の家柄であることへの誇り、また仏教へのあつい信仰心があったことなどが伺えます。
昨年、最上義光歴史館が開館30周年を迎えるにあたり、記念事業としてこの指揮棒が復元されました。山形市が誇る刀匠の上林恒平氏に依頼し、日本刀と同じ玉鋼という材料を用い、火に入れて何度も打ち鍛える「鍛造」という工法で見事に復元していただきました。
近年、最上義光公の業績が再評価され、関連書籍も立て続けに刊行されています。ぜひこの機会に最上義光歴史館に足を運んでいただき、今一度郷土の英雄について学んでみてはいかがでしょうか(現在、企画展示「鐵の美2020 郷土の刀工・江戸三作ゆかりの刀匠たち」が開催中です)。
(広報やまがた令和2年7月1日号掲載)
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