山形市指定文化財を新たに指定しました(令和5年度)
以下の文化財が新たに指定されました。
- 山寺立石寺奥之院の大灯籠
【やまでらりっしゃくじおくのいんのおおとうろう】
指定年月日
令和5年(2023年)7月14日
指定された文化財について
山寺立石寺奥之院の大灯籠
種別
有形民俗文化財
数量
1基
所在地
山形市大字山寺
所有者
宗教法人立石寺
概要
明治28年(1895)8月、山形市銅町の鋳物師小野田才助(おのださいすけ)〔弘化3年(1846)生~大正4年(1915)没〕により造立された大灯籠です。
七層構造で、細かな形態にもかかわらず非常に肉薄で、高い技術で鋳造されています。明治時代には溶接技術がなかったため、層同士を溶接でつなぐのではなく、凸凹を組み合わせる構造になっています。
また、大灯籠の基底部には発願主や寄付人の名が刻まれています。それによると、立石寺住職壬生優田(みぶゆうでん)が発願主となり、塔頭寺院である中性院、華蔵院、性相院、金乗院が事務総代を務めて造立への基金が集められたこと、また寄付人は、当時の山寺村や山形市のほか、北は最上郡豊里村(鮭川村)、南は東置賜郡赤湯村(南陽市)、西置賜郡十王村(白鷹町)まで、広範囲に及んでいることが分かりました。
大灯籠が奉納された立石寺奥の院は江戸時代、庶民信仰の地として広く知られており、『山形棚佐賀志』や『乩補(けいほ)出羽国風土略記』などにも奥の院の庶民信仰を伝える記述がみられます。大灯籠は、多くの先祖の霊(祖霊)の集まる目印として、また先祖の霊に捧げる燈明として、最もふさわしい庶民信仰の場、奥の院に奉納されたものと推測されます。明治時代に入っても山寺立石寺が広く庶民信仰の地であったことを示す貴重な資料であることから、「山寺立石寺奥之院の大灯籠」を山形市の有形民俗文化財に指定したものです。
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