伝統の技術を受け継ぐ“職人たち”1
仏壇職人
鈴木 吉男(すずき よしお)さん
技を支える職人の真心
美しい細工が施された、荘厳で堅牢(けんろう)な雰囲気が特徴の山形仏壇は、国から伝統的工芸品の指定を受けています。その伝統を守り、高い技術と知識を伝えているのが伝統工芸士の資格を持つ、鈴木吉男さんです。
「山形仏壇は、大きく分けて7つの工程をそれぞれの職人が分業して制作しています。一つ作り上げるのに数カ月かかり、山形仏壇の特徴といえる宮殿(くうでん)は、釘や接着剤などを使わず、木を組んで作られます。」
「どの工程も、とても繊細で気を使います。私が行う、はく箔押し・仕組は最後に行う作業で、飾り彫刻に金箔(きんぱく)を貼っていきます。」
「薄い金箔は、ちょっとの風で舞ってしまうため、夏でも閉め切った部屋で仕上げています」と製造時の大変さが伝わってきます。
「最近は、仏壇を家に置く人も少なくなっていますが、住宅の大きさや空間に合わせ、和室と洋室どちらにも置けるような仏壇も需要があります。やはり、自分の作ったものが世に出るのはうれしいですね」
職人の技と真心が込められた仏壇は、私たちの心に安らぎを与えてくれます。
打刃物職人
嶋田 大輔(しまだ だいすけ)さん
一丁一丁が魂を込めた手作り
現在、島田刃物製作所で代々の技術を守り続ける3代目の嶋田大輔さんは、幼い頃からものづくりが好きで、父親の文夫さんの後を継いで打刃物職人になりました。
「山形打刃物は、軟らかい金属の地金と、刃先を構成する硬い鋼を合わせて作られています。火づくりの工程では、1000度以上に熱した地金に、鋼を貼り合わせていき、完全に結合したらハンマーで包丁の形に近づけていきます。修業時代は、叩いて包丁のかたちをつくるのに苦労しました」
工房には“カーンカーン”とハンマーの力強い音が響き、真っ赤に熱した鉄を打つたびに火花が散ります。
店頭には、たくさんの打刃物が並んでいて、刃の輝きに目を奪われます。特徴は、切れ味と長切れ。
手打ち鍛造で鋼を鍛えているので、切れ味が長続きし、メンテナンスを行うことで、さらに何十年も使うことができます。
「包丁は生活の道具。使う人の役に立てるよう、いい刃物をつくっていきたいです。研ぎ直しに来てくれて、細くなった刃を見ると、こんなに長く使ってくれているんだとうれしくなります」と笑顔で話してくれました。
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