一口健康メモ

ページ番号1011012  更新日 令和5年2月27日

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新型コロナウイルスと口腔ケア

山形市立病院済生館歯科 井上右子

 新型コロナウイルスの感染予防において、手指消毒やマスクの着用だけでなく、適切な口腔ケアも有効な手段であることはご存じでしょうか。

 新型コロナウイルスは、ヒト細胞の表面のレセプター(ウイルスが結合するタンパク質)を介して侵入し増えていきます。レセプターは口腔粘膜、舌、唾液腺に多くあるといわれており、口腔ケアと舌のブラッシングでウイルスの付着を防ぐことが感染予防につながるのです。

 また歯周病の方は、特に歯周病菌によって口腔粘膜がダメージを受けていると、そこから感染しやすく、さらに肝臓に移行して重症化するケースがあります。肝臓は血液を介してウイルスが移行すると考えられており、歯周病の方は歯肉などから出血しやすいので、ウイルスも容易に血管内に入ってしまうのです。適切な口腔ケアで歯周病も防ぎ、ウイルスの感染も防ぎましょう。

 またマスクの着用もすっかり日常になりましたが、その弊害として口呼吸による口腔内の乾燥、口の周りの筋力の低下がみられるようになりました。マスクの中で口を開けたままにしていると、唾液の分泌量が減ってしまいます。唾液にはウイルスから体を守る免疫力があるので、マスクの中でも口は閉じて鼻呼吸を行いましょう。

 以上の点を意識して、口腔内の環境を整え、新型コロナウイルスから大事な体を守りましょう。

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