山形五堰とは

ページ番号1005412  更新日 令和3年10月29日

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山形五堰とは、笹堰(ささぜき)・御殿堰(ごてんぜき)・八ヶ郷堰(はっかごうぜき)・宮町堰(みやまちぜき)・双月堰(そうつきぜき)の五つの堰(農業用水路)の総称で約400年前に造られたといわれています。馬見ケ崎川から(山形蔵王インターチェンジの上流部)一括取水され、西に向かって枝分かれを繰り返しながら市街地を流下していきます。市街地を網の目のように流れている堰は、全国でもめずらしく、山形市の景観の特徴であり歴史的財産です。(全長約115km)

山形五堰の歴史

山形五堰を知る上で、いつ・だれが・何のために造ったのかは興味深く重要なことですが、五堰が造られた当時の文献や資料は現在のところ発見されていません。

山形五堰を記す文献としては、1854年(嘉永7年)「嘉永七年出府の節御奉行江書上」(旧今塚村丹野家所蔵)に「元和9年(1623年)に5日間降り続いた大雨で洪水が起き、翌寛永元年(1624年)、当時の山形城主鳥居左京之守(鳥居忠政)が馬見ケ崎川の流路を変更する工事を行い、この工事にあわせ城濠への水の供給と生活用水・農業用水の確保のため、馬見ケ崎川に五箇所の取水口“堰”を設けた。(五堰が△△用水路ではなく〇〇堰と呼ばれるようになったのは、このためだと考えられます。)」とあります。
さらに、上記資料の約40年前1818年(文化15年)に書かれたとされる水路図(このページの古図「小白川財産区提供」)を見ると五堰は城下を網の目のように流れ、御殿堰の一部の水が山形城の城濠に流入されていたことから、城下の形成にも深く関係し、防備の要である城濠を維持する上で重要なものであったことが推察されます。

城濠に流入された水はその下流域の生活用水・農業用水としても利用されており、この水が地域にとっていかに重要なものであるかが容易に想像できるところです。
明治・大正・昭和の初期に入ると、山形五堰は農業用水,生活用水はもちろん水車を利用した製粉業・精米業や、養鯉・染物・鰻問屋など様々な産業にも活用され、その重要性はますます高くなりました。
高度成長期に入ると、市街地における山形五堰は、生活排水・工業排水の流入等により水質の悪化は急速に進みました。また、社会経済の発展により、利便性が重視され、歴史的に貴重な石積み水路がコンクリート水路に改修されました。

昭和60年には、馬見ケ崎川合口頭首工が供用開始され、馬見ケ崎川からの取水が1箇所に統合されました。
近年は、公共下水道の普及や地域住民による清掃活動等により、かつてのきれいな流れを取り戻してきています。きれいな水にしか生えないといわれている水草(梅花藻)の生育やオニヤンマの幼虫・蛍などを見かけたという人もいます。また、農業用水のほかに、次のような役割(地域用水機能)についても見直されています。
このように山形五堰は、その時代ごとに利用方法や形態を変えながら幾変遷を経て現在に至っています。

写真:古図「小白川財産区提供」

山形五堰【農業用水路】の持ついろいろな役割

山形五堰(農業用水路)は、農産物の生産に関わるだけでなく私達のくらしのなかで重要な役割を持っています。

  • 水音を聞きながら夕涼みや散歩などが楽しめる親水機能
  • 火災発生時の防火用水機能
  • 石積水路から水を地下に浸透させる地下水涵養機能
  • 水辺の生物を守る生態系維持・保存機能

これらの機能を合わせて「地域用水機能」と呼んでいます。

山形五堰が【疎水百選(そすいひゃくせん)】に認定

平成18年2月22日、山形五堰を含む全国110箇所が【疏水百選(そすいひゃくせん)】に認定されました!
【疏水(そすい)】とは?・・・田畑などに水を引くために造られた水路のことをいいます。
疏水百選の選定には、次の4つの視点が基準となり、国民投票及び選定委員の意見を踏まえて決定されました。

  1. 農業用水に加えて、農業・地域振興に役立っている。
  2. 歴史・伝統・文化がある。
  3. 生態系豊かな環境・美しい景観。
  4. 地域コミュニティーの形成につながっている。

写真:認定証

山形五堰の見所

山形五堰に関する地域の方々の活動

小学校の活動

小学校での社会科授業や総合学習などで「山形五堰」が取り上げられるようになり、このことをきっかけに、さまざまな活動が行われております。

写真:小学校での活動の様子

その他の活動

市民ボランティアによる清掃活動や五堰の見学会なども盛んに行われるようになりました。平成9年からはじめた「五堰クリーン作戦」では、年を追うごとに参加者は増え、集まるゴミは逆に減ってきています。

写真:清掃活動の様子

山形五堰の梅花藻

梅花藻とは

キンポウゲ科の多年草で常緑の沈水植物。初夏に梅の花の形をした花を咲かせ、清流にしか生育されないとされ、湧き水が流れる水路などで見られることが多い。県内でも最近は、水路改修・水質悪化・農薬散布などの影響で、絶滅した自生地が多く、山形県の準絶滅危惧種に指定されています。

写真:梅花藻

五堰の梅花藻

笹堰の最上流部や小白川町内での御殿堰等の一部水路で確認されています。(渇水などにより、枯れてしまい見られない場所や年もあります。)

山形五堰をみんなの手で守っていきましょう!
山形五堰のパンフレット等も準備してあります。

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農林部農村整備課計画指導係
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