一口健康メモ

ページ番号1011524  更新日 令和5年4月28日

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家庭で行う手のリハビリテーション

市立病院済生館リハビリテーション科 金内ゆみ子

 手の形は、つまみと握り動作がしやすいように、ボールを握っているような丸み(アーチ)があります。アーチの崩れは機能低下の大きな要因となるので、アーチを保つことが手のリハビリテーションに非常に大切です。同時に握りを開く(手指を伸ばす)動作も必要ですが、緊張し過ぎると筋のバランスが崩れ、逆方向に力が入ることがあるので、ゆったりした気持ちで練習を進めます。

 脳卒中による運動麻痺(まひ)でも筋肉が硬くなり、四肢が曲がり伸ばしにくくなることがあります。これは、緊張が自分の意思に関係なく強くなる痙縮(けいしゅく)という症状で、肩・肘・指が別々に動かせず一緒に動いてしまう共同運動を伴うことがあります。無理に動かそうとすると痙縮や共同運動が増悪するので、ゆっくり別々に動くように練習することが大切です。手の動きや位置を感じる深部感覚に障害がある場合は、視覚で補いながら練習を進めます。

 手を動かせるようになったら、積極的な使用が勧められます。大脳皮質の中で手に関わる領域は広い部分を占めており、手を使うことで脳が活性化します。手を上手に使うには、物の置かれている所まで手が届く必要があり、肩・肘・手関節の柔軟性と良い姿勢も大切です。生活の中で毎日10分程度、全身のストレッチとつまみと握り動作の練習を継続しましょう。

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