山形市パブリックコメント制度実施要綱の考え方

ページ番号1003807  更新日 令和4年8月16日

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平成19年4月1日改正

(目的)
第1条 この要綱は,パブリック・コメント制度の実施に関し必要な事項を定め,もってこの市の政策形成の過程における市民等の行政参画の機会を確保することにより,公平かつ公正で透明性の高い市政経営の実現を目指すことを目的とする。

【考え方】
本市のパブリック・コメント制度(以下「PC制度」という。)は,市民生活に密接に関連する市の重要な施策について,「意思決定前の情報の公表」を行い,市政への「市民参画の機会」を確保することにより,行政運営の公正の確保と透明性の向上を図り,市民に信頼される市政を確立するために,要綱により制度化するものです。

(定義)
第2条 この要綱において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)パブリック・コメント制度
この市の市民生活又は事業活動に重大な影響を及ぼすと認められる政策等を決定する過程において,当該政等に係る計画,条例等(以下「計画等」という。)の案についてその趣旨,内容等を明らかにしたうえでそれらに対する意見等を市民等から募集し,それらの意見等を政策等の意思決定に反映させるとともに,それらの意見等に対する市の考え方を公表する一連の手続きをいう。
(2)市民等
次に掲げるものをいう。
ア この市に住所又は事務所若しくは事業所を有するもの
イ 市内に存する事務所若しくは事業所に勤務し,又は市内に存する学校に在学するもの
ウ その他当該計画等に利害関係を有するもの
(3)実施機関
市長,水道事業管理者,消防長,教育委員会,選挙管理委員会,監査委員,農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。

【考え方】
具体的な対象については,第3条で述べますが,原則的に市民生活や事業活動に直接かつ大きく影響を与えるもので,市内全域または全市民等を対象とするものをいいます。

  • 第一号関係
    この制度は,これまで行政側の裁量に任せられていた政策等の策定への市民参加について,一定の範囲を定めて,市民等の意見を募集するものです。
  • 第二号関係
    この制度において,意見を提出できるものとして,本市に在住,在勤,在学するものなどを「市民等」として定義付けます。
    インターネットを利用して意見募集することから,日本全国から意見提出が可能となりますが,これらの意見はこの制度の対象とはしないこととします。ただし,本市以外に居住する利害関係者なども「市民等」として位置付け,この制度により意見を提出できるものとします。
  • 第三号関係
    実施機関とは,この制度によりPC制度を実施する市の機関(所管課等)をいいます。
    PC制度が,重要な計画等の決定に関する市民参加の一般ルールとする以上,この制度を市政全般に適用させることとし,市の機関(所管課等)すべてをこの制度の実施機関と位置付けます。
    ただし,議会は議事機関であり自律性を有していることから,この制度の対象から除外します。
(対象)
第3条 パブリック・コメント制度の対象となるものは,次に掲げる計画等の策定又は制定及び改廃(以下「策定等」という。)とする。
(1) 市の基本的な施策に関する計画,指針等
(2) 市の基本的な制度を定める条例
(3) 市民等に義務を課し,又は権利を制限することを内容とする条例(市税並びに分担金,使用料及び手数料その他これらに類するものに関するものを除く)
(4) 市の基本的な方向性を定める憲章,宣言等
(5) 前各号に掲げるもののほか,実施機関が必要と認めるもの

【考え方】
部設置条例や職員の給与に関するものなど,行政内部にのみ適用されるもの,「補助金要綱」のような行政サービスに関するものは除きます。

  • 第一号(計画)関係
    「市の基本的な施策に関する計画,指針を定めるもの」とは,将来の市の施策の基本方針,基本事項を定める計画や指針などをいい,その名称については基本構想,プラン,方針など特に問いません。なお,道路,河川,公園などの個別地域での整備事業については原則として対象外としますが,基本的な考え方が市内全域または全市民等を対象とするものについては対象となります。
  • 第二号(基本的な制度を定める条例)関係
    「市の基本的な制度」とは,市政全般や個別の行政分野における基本理念など本市の進むべき方向性を定めるものをいいます。
  • 第三号(義務及び権利に関する条例)
    「市民等に義務を課し又は権利を制限することを内容とする条例」とは,広く市民等に適用される規制を定める,地方自治法第14条第2項に基づく条例をさします。
    ※地方自治法第14条第2項
    「普通地方公共団体は,義務を課し,又は権利を制限するには,法令に特別の定めがある場合を除くほか,条例によらなければならない。」
    「市税並びに分担金,使用料及び手数料その他これらに類するものに関するものを除く」については,市民に義務を課するものに該当しますが,これらの金銭賦課徴収に関する事項をこの要綱の対象とした場合,負担軽減を求める意見や賛否のみの意見が多数を占める可能性が高いと思われます。また,「地方自治法第74条第1項」で,地方税の賦課徴収並びに分担金,使用料及び手数料の徴収に係る条例の制定・改廃が直接請求の対象から除かれていますので,金銭徴収に関わる手続きは,この要綱の対象外とします。条例案については,この要綱により,議案提出前に市民にその原案を情報提供し,市民の意見を聴くことになるため,このことが間接民主主義を否定するもので,議会軽視となるという考えがあります。しかし,PC制度を行政運営の公正の確保と透明性の向上を図る手段と考えるならば,市民の意見を踏まえた論点が整理されるため,議会審議の際,より密度の濃い議論が可能となります。また,あくまでも市長が議会に提出する案について市民協働を得て,よりよくするための執行機関の手続きです。
  • 第四号関係
    市の基本的な方向性を定める憲章,宣言などで,市の重要な施策を策定する場合があるので,これらをこの手続きの対象とします。
  • 第五号関係
    「前各号に掲げるもののほか,実施機関が必要と認めるもの」については広く市民等に適用される規則等があてはまります。
  • その他(PC制度の該当判断)
    この制度の性格上,PC制度の対象となるかどうかの判断に迷う場合も予想されますが,極力PC制度を実施していくこととします。
(適用除外)
第4条 前条の規定にかかわらず,次に掲げるものについては,パブリック・コメント制度を実施しないことができる。
(1)迅速若しくは緊急な対応を要するもの
(2)軽微な変更と認められるもの
(3)策定等にあたり,意見聴取などの手続が法令又は条例等により定められているもの
(4)審議会その他の附属機関(これに準ずる機関を含む。)による答申等に基づき策定等をするもの(ただし審議会等でパブリック・コメントを実施する旨を決定したものを除く。)

【考え方】

  • 第1号関係
    「迅速若しくは緊急な対応を要するもの」とは,法改正に併せて条例や計画を変更する必要がある場合でその変更の期日が迫っている場合や,PC制度の実施にかかる所要時間の経過によりその効果が損なわれる場合,あるいは災害時に緊急に条例の制定をする場合など,PC制度の手続きを経る時間がない場合をいいます。
  • 第2号関係
    「軽微な変更」とは,法改正に伴う条項ずれや文言整理など,大幅な改正または基本的な事項の改正変更を伴わないものをいいます。
  • 第3号関係
    「意見聴取などの手続きが法令又は条例等により定められているもの」とは,法令などの規定により公聴会の開催などの実施が義務付けられている場合をいいます。
    ただし,出された意見等に対する「応答義務(説明責任)=実施機関の考え方を示す」という点において,この制度を実施したと同様の効果が期待できるよう努めるものとします。
  • 第4号関係
    当該計画を策定するにあたり,審議会等に諮る場合は,市民等の意見を聴取したものとみなし,審議会等を尊重し,P・C制度を実施しないことができます。
    審議会等に諮る場合でも,P・C制度を実施することは構いませんが,あらかじめパブリック・コメント制度を実施することについて,審議会等の決定を得ることとします。
  • その他
    この条項においては,「迅速若しくは緊急な対応を要するもの又は軽微な変更と認められる」「意見聴取などの手続きが法令で定められている」「審議会等に諮問を予定している」計画等に該当するため,PC制度を実施しないことができるという判断を各所管課がすることとしていますが,その拡大解釈を防止するため,各実施機関はPC制度を実施しない理由をいつでも市民等に説明できるように準備しておく必要があります。
(計画等の案の公表)
第5条 実施機関は,第3条各号に掲げる計画等の策定等をしようとするときは,相当な期間を設けて,当該計画等の案(以下「案」という。)を市民等に公表するものとする。
2 実施機関は,前項の規定により案を公表しようとするときは,次に掲げる事項をあわせて公表しなければならない。
(1)策定等をしようとする計画等の趣旨,目的及び背景
(2)策定等をしようとする計画等を立案するにあたっての考え方
(3)意見等の提出先,提出方法,募集期間その他意見等の提出に関し必要な事項
(4)前3号に掲げるもののほか,案の公表に関し必要と認められる事項

【考え方】

  • 第1項(事前公表)関係
    公表する時期は,計画等の決定期限などを考慮し,内容の修正など寄せられたご意見を反映することが十分可能な,素案の段階に実施します。
    「相当な期間」は,第7条の規定による意見等の提出を受け,意見等提出期間終了後,提出された意見等の整理及びこれに対する実施期間の考え方の整理(意見等を採り入れるかどうかの検討を含む)を経て,最終的な意思決定までの期間をいいます。
    具体的な公表時期の設定にあたっては,意思決定の時期から逆算して,一連の手続きをこなし得る十分な期間を設けることが必要です。
  • 第2項(公表資料)関係
    公表する案及び資料は,市民等がその内容を十分に理解できるよう,難解な表現を避けるなどわかりやすいものとします。また,論点などを明確にし,市民等から意見提出がしやすくなるように努めるものとします。資料については,計画等を立案する際の論点等をはじめ,その立案にいたった経過,目的,背景等について述べたものとします。また,意見等の提出先など,意見等をどのように提出すべきかを,案の公表時に必ず明示するものとします。
    なお,条例案については,市民等がわかりやすいように,案の趣旨や考え方を示すものとします。
    「必要と認められる事項」とは,次に掲げるものから,実施機関が必要に応じて準備します。
    1. 当該計画等の案の概要
    2. 根拠となる法令
    3. 計画の策定または改定にあっては,上位計画の概要
    4. 当該計画等の案を附属機関等に付した場合にあっては,当該審議又は検討の概要がわかる文書
    5. 実施機関における検討の経過など
(公表の方法)
第6条 前条第1項の規定による案の公表は,次に掲げる方法により行うものとする。
(1) 当該計画等の所管課,市民相談課及び公民館における案の閲覧又は配布
(2) 市のホームページへの掲載

【考え方】
市民等が計画等の案を容易に入手できるように,実施機関(所管課)の窓口だけでなく,市民相談課及び各公民館の窓口でも閲覧または配布するものとします。また,市のホームページにも掲載する。

(意見等の提出)
第7条 実施機関は,案を公表したときは,原則として公表の日から1ヶ月の期間を設けて,意見等を受け付けなければならない。
2 意見等の提出は,次の各号のいずれかの方法によるものとする。
(1)実施機関が指定する場所への文書の提出
(2)郵便
(3)ファクシミリ
(4)インターネット
(5)前各号に掲げるもののほか,実施機関が特に認める方法
3 市民等は,意見等を提出しようとするときは,住所,氏名及び電話番号(団体にあっては,所在地,名称及び代表者の 氏名)を明示するものとする。

【考え方】

  • 第1項(意見提出期間)
    意見提出期間は,その期間を長くした場合,寄せられる意見が多くなる反面,計画等の策定に迅速性を欠くことが想定されるため,原則として「1ヶ月」をルールとします。よって,計画等を策定する際は,意見提出期間として1ヶ月の期間を事前に想定し,その後に最終的な政策決定が行えるよう,余裕をもったスケジュールを定める必要があります。
    事情により1ヵ月間を確保できない場合は,この限りではないこととします。
  • 第2項(意見等提出方法)
    「実施機関が指定する場所への文書の提出」とは基本的には所管課ですが,各実施機関が計画等の内容,対象者などにより,所管課が指定することとします。
    「インターネット」とは,市のホームページのパブリック・コメントのページにある「意見募集専用フォーム」を利用するものと,電子メールを利用するものとします。
    電話による意見提出については,他の方法が文書,電子データ等により容易に保存され,所管課も正確に対応できるのに比べ,記録が困難であり,意見内容が不明確になることが予想されることから,対象外とし,文書による提出を求めるものとします。
  • 第3項(意見等への記載事項)関係
    市民等が市の計画等の策定に直接関わる以上,市民等にも相応の責任があるものと考えるので,住所,氏名並びに電話番号(法人その他の団体にあたっては所在地,名称及び代表者の氏名)の記載を求めます。
(意見等の取扱い)
第8条 実施機関は,市民等から提出された意見等を十分に考慮し,計画等の策定等の意思決定を行うものとする。
2 実施機関は,前項の規定により計画等の策定について意思決定をしたときは,次に掲げる事項を市民等に公表するものとする。
(1) 提出された意見等の件数及び提出者数
(2) 提出された意見等の概要及びそれに対する実施機関の考え方
(3) 案を修正した場合にあっては,その修正した内容
(4) 前3号に掲げるもののほか,実施機関が必要と認める事項
3 前項の規定による公表は,第6条に規定する方法により行うものとする。

【考え方】

  • 第1項(意見等の考慮)関係
    この要綱に基づき提出された意見等は大いに尊重し,よりよい意見については政策に反映していくこととします。各所管課においては,PC手続きの導入により,市の意思決定システムが変わったということを十分に認識していく必要があります。
  • 第2項(市民意見等の公表)関係
    提出された意見等を踏まえて,公表した案を修正した場合には,その修正内容及び修正理由を公表するものとします。
    この手続きは,計画等に対する賛否を問うものではありませんし,賛成,反対の意見数により安易に計画等に意見等を取り入れるものでもありませんので,単に賛否の結論だけの意見に対しては,実施機関の考えは示さない場合もあります。
    市民等から提出された意見等も原則としてすべて公表しますが,案と関係のない意見や,第三者を誹謗中傷するものなどは公表しません。また,意見等の原文そのものを公表する必要はなく,必要に応じて要約して公表することとするほか,類似した意見は類型化して公表することができます。なお,公表に当たっては,住所・氏名・電話番号など個人情報については公表しません。
  • 第3項(公表方法)関係
    提出された意見等やそれに対する市の考えなどについても,当該計画等の所管課,市民相談課及び公民館において,配布・閲覧できることとするほか,市のホームページにも掲載することとします。
    提出された意見等やそれに対する市の考え方を公表する期間については,次の期間を原則とします。
    1. 市のホームページ 公表の日から6ヶ月(ただし,第10条による実施状況一覧表においては,案の公表の翌年度まで公表するものとします。)
    2. 計画等の所管課 公表の日から3ヵ月
    3. 市民相談課・公民館 公表の日から2ヵ月
(市長への事前報告)
第9条 市長以外の実施機関は,パブリック・コメント制度を実施しようとするときは,あらかじめ案及び当該案に係る第5条第2項各号に掲げる事項を市長に報告しなければならない。
2 市長以外の実施機関は,前条第2項の規定により意見等の概要等を公表しようとするときは,あらかじめ同項各号に掲げる事項を市長に報告しなければならない。

【考え方】
各所管課がパブリック・コメント制度を実施しようとする場合は,公表しようとする案にかかる事項について,市長にあらかじめ報告することとします。
案を公表し,意見等の概要等を公表する場合も,同様とします。ただし,市長部局以外の機関が報告する場合は,別紙様式1または2によるものとする。

(実施状況の公表)
第10条 市長は,パブリック・コメント制度を実施している案件について,次に掲げる区分ごとに一覧表を作成し,市民等に公表するものとする。
(1) 意見等を現に募集しているもの又は募集する予定であるもの
(2) 意見等の募集期間が終了し,提出された意見等について検討しているもの又は当該年度において意見等を募集した結果について公表しているもの若しくは公表したもの
(3)前年度において意見等を募集した結果について公表したもの
2 前項の一覧表には,次に掲げる事項を記載するものとする。
(1) 前項第1号に掲げる案件については,次の事項
ア 計画等の名称
イ 意見等の提出期間
ウ 案の公表日及び入手方法
エ 問合せ先
(2) 前項第2号及び第3号に掲げる案件については,次の事項
ア 計画等の名称
イ 意見等の提出期間
ウ 提出された意見等の件数及び提出者数
エ 問合せ先
3 第1項の規定による公表は,次に掲げる方法により行うものとする。
(1) 第1項第1号及び第2号に掲げる案件については,第6条第2号に規定する方法及び市の広報に掲載する方法
(2) 第1項第3号に掲げる案件については,第6条第2号に規定する方法

【考え方】
この制度の実効性確保策の一環として,計画等の案の公表,意見募集結果の各状況を一覧表にしてホームページと広報やまがたで公表し,市民等が,いつ,どのような案件がPC制度の対象となっているかということを容易に知ることができるようにするとともに,積極的な情報提供を行うことで,意見の提出を促します。一覧表の作成は,PC制度の所管課が行います。

(その他)
第11条 この要綱に定めるもののほか,パブリック・コメント制度の実施に関し必要な事項は,実施機関がそれぞれ定める。

【考え方】
この要綱に定めるもののほか,PC制度の実施について必要な事項があれば別に定め,統一のルールで実施します。

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