意見書(令和7年12月定例会)
12月定例会で可決された意見書は、次の1件です。
安全・安心の医療・介護提供体制を守るため、すべてのケア労働者の処遇改善につなげるための支援と診療報酬の大幅な引き上げを求める意見書
政府は医療・介護分野と他産業との賃金格差解消のため、2024年の診療報酬・介護報酬改定において、賃上げに特化した「ベースアップ評価料」や「新介護加算」等を実施したにもかかわらず、医療・介護分野の賃金は依然として他産業よりも低く、格差解消に至っていない。結果として新たな人材確保が困難な上、既存の職員を繋ぎとめることもできず、地域への医療・介護提供体制の維持すら支障をきたすほど人手不足が進んでいる実態である。
物価高騰が収まらない中、国が決める公定価格で運営している医療機関や介護施設等は、様々な物品や光熱費などの値上げを価格転嫁できない状況が続いており、全国はもとより本県でも多くの病院や介護施設が軒並み深刻な経営難となり、倒産・閉鎖も危惧される状況である。
2026年は診療報酬の改定年度であるが、こうした状況を改善するためには診療報酬の大幅な引き上げ及び社会の変化に即時対応できる随時の診療報酬改定の仕組みが必要である。加えて、事業存続の危機にまで至っている病院・介護施設への速やかな援助の拡充が必要不可欠であると考える。
よって、山形市議会は、下記の事項の実現を強く要望する。
記
1 医療機関や介護現場で働くすべてのケア労働者の賃上げ・人員配置増と、それによる医療・介護提供体制の維持が図られるよう、2026年度の診療報酬改定と介護報酬・障害サービス等報酬の大幅な引き上げを実施すること。併せて当面の支援策として2025年度中に全額公費による財政支援策を実施すること。
2 今後、2年ごとになっている診療報酬などの改定を、社会情勢の変化に即応できる制度に改め、医療・介護施設の運営に支障が出ないよう対応すること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
令和7年12月12日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣府特命担当大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて
山形市議会
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