山形市指定文化財を新たに指定しました
ページID
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105727
以下の2件の文化財が指定されました。
・鳥海月山両所宮の穀様し【ちょうかいがっさんりょうしょぐうのごくだめし】
・穀様しの版木
【ごくだめしのはんぎ】
指定年月日
令和2年(2020年)11月26日各文化財について
鳥海月山両所宮の穀様し
分類
無形民俗文化財
保存団体
鳥海月山両所宮所在地
山形市宮町概要
山形市宮町の神社・鳥海月山両所宮で、稲穂に実が入る8月末から9月上旬に2日間にわたって行われる作占いの神事です。
鳥海月山両所宮は、馬見ヶ崎川扇状地の扇端に位置しており、古くから馬見ヶ崎川の伏流水が豊富な場所でした。その伏流水を利用して作柄を占う非常に珍しい神事です。
1日目は、鳥海月山両所宮の南端にある随神門の西側に120㎝四方、深さ80㎝程度の穴を掘ります。穴の底には1年前に埋めた置石が五つあり、それぞれの石の下には前年に収穫された農作物である米(炊いたもの)・稲穂・粟穂・茄子・インゲン・キュウリが埋められています。穀様しで作柄を占う地域は、山形・庄内・秋田・仙台・米沢の5地域で、五つの置石がそれぞれの地域に対応しています。中央が山形、北東が庄内、南東が秋田、南西が仙台、北西が米沢です。
幣殿で宮司が祝詞を奏上した後、穴の前へ移動し、お祓いをして埋められている農作物の状態確認が始まります。農作物が腐れずにどの程度原型をとどめているかを10段階で評価します。形がよく残っている方が高い評価となり、それぞれの農作物の評価の合計で作柄の吉凶を占い、数の大きい方が豊作の占いとなります。伏流水が豊富だった江戸時代は地下水位が高く、埋めた農作物が腐りにくかったことを利用した神事です。この1日目の神事を、「開く(る)の神事」といいます。
2日目は、来年の占い用として、その年に収穫された農作物を穴の中に埋め、置石を元通りに配置して、穴を埋め戻し、目印として梵天竿を立てます。その後、埋めた農作物と同じものを使用した食事(炊いたご飯、茄子とインゲンの味噌汁、キュウリの漬物、鰊)を食べる直会(なおらい)を行って、神事は終了します。2日目の神事は「休む(る)の神事」といいます。
鳥海月山両所宮は、馬見ヶ崎川扇状地の扇端に位置しており、古くから馬見ヶ崎川の伏流水が豊富な場所でした。その伏流水を利用して作柄を占う非常に珍しい神事です。
1日目は、鳥海月山両所宮の南端にある随神門の西側に120㎝四方、深さ80㎝程度の穴を掘ります。穴の底には1年前に埋めた置石が五つあり、それぞれの石の下には前年に収穫された農作物である米(炊いたもの)・稲穂・粟穂・茄子・インゲン・キュウリが埋められています。穀様しで作柄を占う地域は、山形・庄内・秋田・仙台・米沢の5地域で、五つの置石がそれぞれの地域に対応しています。中央が山形、北東が庄内、南東が秋田、南西が仙台、北西が米沢です。
幣殿で宮司が祝詞を奏上した後、穴の前へ移動し、お祓いをして埋められている農作物の状態確認が始まります。農作物が腐れずにどの程度原型をとどめているかを10段階で評価します。形がよく残っている方が高い評価となり、それぞれの農作物の評価の合計で作柄の吉凶を占い、数の大きい方が豊作の占いとなります。伏流水が豊富だった江戸時代は地下水位が高く、埋めた農作物が腐りにくかったことを利用した神事です。この1日目の神事を、「開く(る)の神事」といいます。
2日目は、来年の占い用として、その年に収穫された農作物を穴の中に埋め、置石を元通りに配置して、穴を埋め戻し、目印として梵天竿を立てます。その後、埋めた農作物と同じものを使用した食事(炊いたご飯、茄子とインゲンの味噌汁、キュウリの漬物、鰊)を食べる直会(なおらい)を行って、神事は終了します。2日目の神事は「休む(る)の神事」といいます。
特色
山形県内の寺社等で行われる作占いには、巫女(神子)による神おろしや、粥占い、流鏑馬(やぶさめ)、歩射、火占い、くじ占い等様々なものがありますが、河川の伏流水を利用して作柄を占うものは県内を始めとして他の地方には見られない独特な神事・民俗行事であり、大変貴重な無形民俗文化財です。
開くの神事
穴の中の置石(穴の東側から撮影) この置石の下に農作物が埋められています。
作柄の読み上げ 農作物の状態を確認して評価をします。
作柄の記載 確認した農作物の評価を専用の紙に記録します。紙は参加者に配付します。
取り出された農作物
休むの神事
幣殿に供えられた五穀(農作物) 埋められる前に一晩、幣殿へお供えされます。
五穀 稲・粟・茄子・インゲン・キュウリの五種類のため、五穀と呼ばれます。
お祓い 埋める前にお祓いが行われます。
五穀の埋納 来年の占い用に、前日に掘り出した場所と同じ位置に埋めます
梵天竿 穴を埋め戻したあと目印として梵天竿を立てます。
穀様しの版木
分類
有形民俗文化財

材質
木製(朴の木と推定される)
寸法
縦16.5㎝ 横19.0㎝ 厚さ1.2㎝所有者
鳥海月山両所宮
所在地
山形市宮町三丁目8番41号概要
「鳥海月山両所宮の穀様し」に用いられる版木です。穀様しの結果を記録する用紙を刷るのに用いられました。作製されたのは江戸時代と考えられています。
板面には「鳥海月山 両所宮 六月 卅日開(さんじゅうにちひらく) 穀様シ」の文字と、穀様しで埋納される「米・水・茄子・木瓜(キュウリ)・大角豆(ささぎ)・粟・穂」の文字、穀様しで作柄を占う地域である「山形(中央)・庄内・秋田・仙台・米沢(左上から時計回り)」の文字が彫られています。
江戸時代には、この版木から刷り出した紙に穀様しの結果を記載したものを虫よけの札と一緒に、穀様しに集まった人へ配ったといいます。
板面には「鳥海月山 両所宮 六月 卅日開(さんじゅうにちひらく) 穀様シ」の文字と、穀様しで埋納される「米・水・茄子・木瓜(キュウリ)・大角豆(ささぎ)・粟・穂」の文字、穀様しで作柄を占う地域である「山形(中央)・庄内・秋田・仙台・米沢(左上から時計回り)」の文字が彫られています。
江戸時代には、この版木から刷り出した紙に穀様しの結果を記載したものを虫よけの札と一緒に、穀様しに集まった人へ配ったといいます。
特色
穀様しに関係する有形の資料は、この版木の他に五穀を埋納した場所に立てられる梵天竿がありますが、梵天竿は古くなる度に新しいものへ更新されます。しかし、この版木は作製された当時から使用されているものであり、江戸時代から使用されていると考えられる唯一の有形資料といえます。
山形市内の文化財について
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