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 『山形らしさ』の継承と発展、                           
  そして、未来社会を逞しく生きる子どもをめざして

 


 

                      
教育長 荒澤 賢雄


 

 明治11年、山形市を訪れたイザベラ・バードは、「山形は…県庁が大通りの突き当り堂々とあるために、日本の町の中では珍しく存在感がある。」と驚きをもって記述しています。また、作家、司馬遼太郎(しばりょうたろう)も紀行文「街道をゆく」の中で、「野広く、その野のはてには蔵王の連山がそびえている。野の一部に白い建物が密集して山形市の市街地がひろがっており、自然と都市との調和が、日本でもめずらしいほどの美しさで展開されている」と鳥瞰図(ちょうかんず)的に捉えた山形市の良さを紹介しています。
 これまで山形市の先人たちは、自然や風土との調和や一体感を大切にしたまちづくり・地域づくりに心を砕きながら、その中で、山形らしい文化や伝統、人々の生活を育んできました。
 
山形市には、西行法師(さいぎょうほうし)や松尾芭蕉(まつおばしょう)が詠んだ、美しく、雄大な自然があり、繊細で優美な文化や伝統も築かれてきました。霊峰蔵王山、中世山岳信仰の中心にあった瀧山、芭蕉が奥の細道で「一見すべきよし」と記した山寺などの祈りの場。また、観音信仰・阿弥陀信仰・熊野信仰、地蔵講(じぞうこう)・八日講(ようかこう)・庚申講(こうしんこう)・月待講(つきまちこう)などの民衆信仰。そして、石仏・板碑・鳥居などの石造文化。これらの祈りや願いが中世以前から続き、姿を変えながら脈々と残されています。
 
人々は、自然や信仰、生きとし生けるものすべてに対して、畏敬の念を持ち、感謝の真心を捧げてきました。歌人の結城哀草果(ゆうきあいそうか)は、随筆「村里生活記」の中で、「山を人間の財産的に見ず、山嶽を崇敬し愛護した…自然の威力に抵抗する観念なく、専ら大自然に融和する念願を持っておった。」と述べています。まさにこれが先人から受け継いできた『山形らしさ』の中核なのであろうと思います。
 
近世に入り、山形が城下町として発展するとともに、農村においても各集落の整備が進んできました。村々では、「結(ゆい)」と称する共同作業を行い、「契約」や「村寄合」で共通理解し合い、年中行事や民俗芸能を共に楽しむ中で、人々は支え合い、「ありがどさま」と感謝し合う心を紡いできました。
 
それまで大切にしてきた自然や祈り、あらゆる命への畏敬と感謝の念に加え、周りの人々に対するいたわりや感謝の心が織り交ざり、今に伝わる『山形らしさ』という精神風土が形づくられてきました。
 
私たちは、連綿として伝えられてきた『山形らしさ』を誇りに思い、しっかりと継承し、さらに磨きをかけ発展させていかなければなりません。
 
もう一方で現在の社会状況に目を向けると、今世紀は、新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域で活動の土台となっている知識基盤社会であります。近年、知識・情報・技術をめぐる変化がより加速度的に進み、高度情報ネットワーク化、グローバル化が人々の想像を超えて進展しています。
 
とりわけ、第4次産業革命と呼ばれるように、人工知能(AI)の目覚ましい進化と普及により、定型的な仕事は今後ますます機械化・自動化が進められ、職業の在り方や働くことの意味も大きく変わることが予測されています。まさしく、これからの社会は先行き不透明な時代と言えます。
 
このような急激な社会の変化が進む中にあっても、子どもたち一人ひとりが変化を主体的に受け止め、予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会づくりに参画していくための資質や能力を育成することが強く求められています。
 
特に、人間こそが持つ思考の柔軟性や創造力、主体性を一層磨いていく必要があります。さらに、より良い社会や人生を切り拓く資質・能力として重要視されている「課題を見出して解決する力」、「新たな価値を生み出す力」を育成していかなければなりません。
 
私は、子どもたちに、前述した山形の自然や風土と人々が育み、連綿と受け継いできた『山形らしさ』を継承・発展させていくとともに、今後求められる、予測不可能な未来を逞(たくま)しく切り拓く資質・能力を確実に身に付けさせていかなければならないと考えています。
 
そして、山形市教育大綱並びに山形市教育振興基本計画の基本理念である『郷土を誇りに思い いのちが輝く 人づくり』の実現に向け、力を尽くしてまいります。

 

 

式典や行事等における教育長あいさつの一部を紹介します。

平成30年度                                    

平成30年度山形市PTA連合会総会 教育長あいさつ【平成30年5月18日】

平成30年度幼小中高校長会議 教育長あいさつ【平成30年4月13日】
               
                            

 



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